2015年5月30日土曜日

オリジナル商品の見積り

弊社は、旅館やホテルなどで使われている業務用の浴衣の製造販売を専門にしている会社です。
が、旅館やホテルなどで使われる物って浴衣だけにとどまらないため、色々な特殊な物も注文をいただき、おかげで製造のスキルが上がり、たいていの物を作れたりします。

と言っても専門の縫製工場が社内にあるわけでは無く、縫製も染めも外注へ。
そう、浜松市は外注でうける加工工場がとても多く、自社で加工するよりも安価にできます。
なぜ安価か、というと暇な時期を無くすよう、色々な会社から注文を受けて常に工場をまわせているから。自社で抱えていたら、暇な時期の分も加工賃に乗せないといけないから高くなります。


弊社としては、取引のある外注先(個人、法人)の出来る出来ない、人柄などを見極め、受注を振り分けます。


で、オリジナル商品の件。
基本、縫製工場は常に商品を作っています。
その作っている商品のカテゴリーに入っている商品なら、問題なく作ります。
でもカテゴリーから外れた商品は、とても嫌がります。

同じ縫製だから、と言っても、布団カバ―作っているところに浴衣は駄目だし、もっといえば浴衣の縫製屋はガウンや作務衣は作りません。




陣羽織 オリジナル





「こんな商品を作って欲しいんだけど、見積りお願いしますか。」

まず出来るところを探しますが、見つからない場合作ってくれそうな人を探します。
つまり、初めてみる物でも面白がって挑戦してくれる人です。

「無理ならいいですよ。」
う、そんなにあきらめが早いなら、無理って言っちゃおうか。

作ってくれる人が見つかっでも、実際に手を動かしてみないと見積りは出ません。
簡単な物を作り、ようやく見積りとなります。


そう一般的なイメージでは、縫製工場に持って行くとそのラインに入れて流して縫製してくれるみたい。
しかも見積りもちょっと見れば出てくる物と考えているみたい。

だけどプロになればなるほど、見積りは出てきません
だって一度金額を口することの責任の怖さを知っているから。


オリジナル商品の見積りについて、ちょっと知っていただけると助かる話です。
(こんなに長いと読んでくれないんでしょうが)

2015年5月27日水曜日

小ロット製作の浴衣

浴衣を作るには、まず生地を染め(またはプリントし)、それから仕立てます。

旅館浴衣の場合、生地は顔料プリントです。
顔料プリントは、型を使って機械でプリントします。

新しい型を使いプリントする場合、機械の調子、色の具合など諸々の事があり、最低120枚以上の生地が必要になります。

でも、すでに有る型を使ってプリントする場合、もっと少なくても大丈夫。
まして小巾(36cm幅)の生地を使うなら、最低40枚からプリントできます。



旅館浴衣 小巾生地 型 デザイン見本


例えば上記の画像の柄なら、40枚から作れます。

しかも型を作る日数が無いため、1カ月ほどで作れたりします(応相談)
色も定番の色から選べば、画像のような紺色だけでなくエンジとか青とか緑とかも大丈夫。


あと最近は中国製の浴衣も高くなってきました。
下手したら中国製と同じ値段で、カラフルな日本製の浴衣が小ロットで手に入ります。


これは旅館・ホテル業界に、とても良いニュースだと思います。


2015年5月22日金曜日

業界の嘘:先染めは色落ちしない

タオルの場合に良く言われるのが、「このタオルは先染めだから色落ちしません」。

先染めとは、あらかじめ染められた糸を使って織る事
先染めに対応して、後染めがありますが、これは織り上がってから染料に漬けて染める事

色落ちは使われる染料の質によって変わります。
なので一概に「先染めだから大丈夫」みたいなことはありません。


先染め タオル


ちなみに染料を使って色を付けるのが「染め」です。
顔料は「プリント」になります。

染めは、化学反応で発色・定着をします。
なので基本的に化学薬品に弱いのです。

ですがスレン染と言う最強の染め方があり、きちんとしたスレン染は漂白剤に強く色落ちにも大丈夫です。

そう”きちんとした”スレン染なら。
海外製のスレン染のタオルを使ったら、色が抜けてしまった・・・・
「え、誰も色が落ちないスレン染のタオルなんて言ってませんよ。」
で、結局泣き寝入り、と言った話も聞いた事があります。


染めに関しては、トラブルも起きやすいので、きちんとした知識を持つ事が大切です。


2015年5月14日木曜日

旅館浴衣の帯

旅館浴衣と言えど、やはりきれいに着たいのは道理で、きれいに見えるにはある程度巾の広い帯が必要です。

最近人気の浴衣帯は「アムンゼン帯 幅広長めタイプ」。
アムンゼン織という梨地織の一種で織られた、ポリエステル100%の帯です。

梨地織なので上品な艶があり、ポリエステル100%はシワにならず色落ちもほとんどありません



旅館浴衣 業務用 帯

帯:アムンゼン帯 幅広長め こん :http://item.rakuten.co.jp/ryokan-yukata/c/0000000134/
浴衣:日本製 ダイワたてかん柄 :http://item.rakuten.co.jp/ryokan-yukata/jyukata01/



締め方は簡単で、兵児帯のように体に巻いて後ろで蝶結び。

幅が広いので締めると見栄えがします。
また、生地は柔らかく、長さもあるので、体格が良い方でも楽に締められます。

個人的なお薦めポイントは、 生地に伸びが無い事。
伸びが無いのでしっかり締めやすく、また体を買ってに締めつける事も無くとても楽です。


先にも上げましたが、最近人気がありますのは、個人的にも嬉しいところです。



2015年5月12日火曜日

生地の厚み

浴衣に限らず、晒生地やガウンの生地など色々な生地に言える事ですが・・

「その生地は厚いんですが、薄くて安い生地は嫌なんですが。」

えっと、厚いから高価、薄いから安価、と言う事はありません
そもそも生地が厚いという事は、織り方の問題や糸の太さです。
価値には関係ありません。




日本製 旅館浴衣 生地のアップ



旅館浴衣に限って言えば、中国製の浴衣の方が生地は厚く日本製の方が薄いです。
じゃあ中国製の方が高価で物が良いのか、といえばそんな事もありません。

中国製の旅館浴衣の生地は、20番手糸を縦横に使っています。
日本製の旅館浴衣の多くは、30番手、20番手の糸を使います。

細い糸を作るには、質の良い綿花が必要です。
また技術的にも高い物が必要です。

細い糸を使って織る場合、太い糸を使うよりもたくさんの糸を必要になります。


ということで、生地の厚さは、高価、安価には関係ありません。
でもどっからこの話が出てきたんだろう。
時々、定期的に耳にします。